No.2にはDay1~3を書いた。雲ノ平を周遊したDay4とDay5は天気にも恵まれ、この旅のハイライトになった。盛りだくさんの絶景祭りの2日間で、写真ばっかりになってしまいました。

Day4
- 5:15 薬師峠
- 5:30 太郎平
- 7:45 薬師沢小屋
- 11:00 雲ノ平山荘
- 12:30 雲ノ平キャンプ場
日の出前に薬師峠を出発。20分ほど歩いて、日の出を太郎平で見た。太郎平山荘に宿泊している人々が出発準備をしており、にぎやかだった。ここから、折立、薬師岳、雲ノ平、黒部五郎等、色々な所に行けるのですね。



小屋を通過し、しばらく平坦な木道を歩いて、湿地感のある草地を楽しんだ。

アップダウンしながら薬師沢まで300m下る。目の前に雲ノ平の台地が見えていたのに、そのはるか下まで下る。太郎平と雲ノ平の間は谷になっており、谷底を黒部川が流れる。その沢を超えるためには一度大きく標高を落として橋を渡らなければならない。太郎平から薬師沢まで2時間。

つり橋を超えると、高天原と雲ノ平の分岐があり、分岐から登りが始まる。看板がかわいらしい。高天原もいつか行きたいが叶わずにいる。

この分岐から急登が始まる。2時間かかった。写真は無いが、足場が苔むした湿った岩で、簡単につるっと行くので怖かった。登りでも怖いのだから下りは相当怖そう。今シーズン何回もヘリが来ている場所らしい。要注意。ペースをかなり落として注意深く進んだ。
急登を終わると平坦になり、ついに雲ノ平に入ったことを知る。初めは樹木で視界が無いが、アラスカ庭園で開けた。向かい側に明日行く水晶岳、振り返ると、昨日越えてきた薬師が見える。あの稜線を超えてきたのか…


隙間から槍ヶ岳が見える。今回の最終目的地、槍を初めて視認したのは越中沢岳だったのだけれど、だいぶ近くなった。しかしまだ遠い。

絶景すぎて足が止まってしまう!水晶岳が本当に美しい、山荘手前の木道より。

山荘に向かって進む。歩きやすく、先ほどの緊張感ある急登とは全く異なる天国だった。絵に描いたような雲ノ平。楽園。

山荘でテント泊の受付をして水場の場所を教えて頂きいた。お昼ご飯に、魯肉飯風鶏飯を食べた。テラス席で黒部五郎を眺めながらの優雅な食事。

山荘を出て、テント場へ。テント場と山荘が地味に離れている(20分程度)ので行き来するのはキツイ。

テントを建設してから、スイス庭園で昼寝。水晶を眺めながら極楽の時間。夏のテント場で夕方までゴロゴロする時間は最高ですよね。スイス庭園からの景色は、水晶を正面に臨む大展望。

さすがに北アルプスの奥地&平日なので、テントの数は多くないかと思っていたが結構いる。話を聞くと、折立から入って雲ノ平&水晶&高天原を巡る人や、雲ノ平&水晶&黒部五郎を巡る人などのロングの人ばかり。皆さん強そう。


Day5
- 2:30 雲ノ平キャンプ場出発
- 3:30 祖父岳
- 4:15 岩苔乗越
- 5:00 水晶小屋
- 5:40 水晶岳
- 6:50 水晶小屋
- 8:00 ワリモ岳
- 8:20 鷲羽岳
- 9:30 三俣山荘
- 11:00 三俣蓮華岳
- 12:30 双六岳
- 13:40 双六岳テント場
水晶で朝日を見るために早発。ナイトハイクだと距離感が分からなくなるのだけれど、意外と進む方の道だった。祖父岳まで登って、乗越まで下って、水晶小屋まで登る。5時過ぎ、小屋を超えたあたりで空が赤くなってくる。



本当は水晶の頂上でご来光を見たかったのだけれど力不足で間に合わず。ただし、染まる水晶を見れたのでヨシとする。


水晶に日があたり、黒い山体を赤黒く染めた。なんと神秘的な姿。振り返れば、鷲羽と槍。

静かな山頂。長居してしまった。


名残惜しい景色と別れて、下山。まだまだ先は長い。下山時は鷲羽へ続く稜線を望みながら歩くことができ、最高の稜線ウォーク。


水晶からワリモ岳を超えて鷲羽に向かう。その間はしっかりアップダウンがあるのだが、気分的に最高なので全く気にならない。


水晶→ワリモが1時間、ワリモ→鷲羽が20分で、鷲羽に到着したのが8時20分であった。この区間は絶景で楽しすぎたのであまり苦しくなかったが、実は結構アップダウンがあった。鷲羽岳からは、鷲羽池を見ることもできた。


鷲羽を降りる。この区間も結構長く50分ほど。下るのは楽だが、登りの人たちはみなそれなりに苦しそうだった。降りるとすぐに三俣山荘がある。まだ9時半だが、双六まで遠いのと疲れたのとで正直ここに泊まりたくなった。

テント場を後にして先に進む。三俣蓮華岳への登り。終始振り向くと翼を広げた鷲羽が美しい。

三俣山荘テント場から一時間進んで、11時10分に三俣蓮華岳。このあたりからガスが上がってくる。まだ11時台なのに、夏山の雲は早い。双六岳から望む槍への天空の滑走路は見たかったが、長野側から素早く雲が上がってきて槍がガスに隠れてしまいそうだ。間に合うか分からなかった。


急ぐ。三俣蓮華から双六は近くに見えたが遠く感じた。約1時間、アップダウン繰り返して進む。

反対側の雲ノ平、薬師方面はまだ晴れている。

かの有名な天空の滑走路は、双六岳頂上から見た姿だ。頂上に到着したのは12時10分で、穂先が完全に隠されてしまった。槍ヶ岳を心の目で見るしかない。

30分ほど粘るも、皆ぽつぽつと立ち去ってゆく。寒いし行くか、と双六小屋へ下り始めた時、突如雲が薄くなって槍の姿が!雲が山体の大部分を隠すので、穂先だけ見える姿は巨人が天に向けた巨大な槍のよう。激しく流れる雲は、意思を持って絡みつく大蛇のよう。



周りの人と喜びを共有。堂々たる槍の姿。思えば立山から始まって、槍にかなり近づいた。

20分ほどで再び雲が覆って、もう槍の姿は見えなくなってしまった。双六から小屋へは1時間かかった。意外と遠い。13時半着。テント場に人は多かった。双六小屋では到着後にカレーをいただいた。普段は安いからという消極的な理由でカレーを選んでいたが、この時は本当に美味しかった。疲れた体にカレーは重いのではと思っていたのだが、カレーのコクとそそる香りが脳内に直接語り掛けてきた。山で食べるカレーを美味しいと思い始めたのはこの時からだった気がする。

双六小屋からは鷲羽岳が良く見える。夕方までその景色を堪能した。
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